政治思想学会編
A5判並製/526頁/本体2500円+税
【特集】
精神史から存在論へ──初期ハイデガーの思索の道から(加藤哲理)
シュトラウスとファーラービーのプラトン(近藤和貴)
丸山眞男は役に立つのか──〈三・一一〉を素材として(渡部純)
規範研究における実証研究の役立て方──反照的均衡を中心に(松元雅和)
松下圭一における「政治学」と「政治思想」(趙星銀)
【韓国政治思想学会からの寄稿】
大韓民国憲法前文と大韓民国の正統性に関する議論(徐希慶)
【公募論文】
マリアンネ・ヴェーバーにおける「新しい倫理」批判と倫理的主体の構築──性をめぐる倫理/法/自然の関係(内藤葉子)
オーストロ・ファシズム確立過程の「合法性」と「正統性」──アドルフ・メルクル、ロベルト・ヘヒト、エーリッヒ・フェーゲリン(高橋義彦)
ハンナ・アーレントにおける「政治」と「責任」──全体主義体制下における普通のドイツ人の責任について(石田雅樹)
ジョン・ロックにおける所有とシティズンシップ──政治共同体の内なる境界について(柏崎正憲)
ルソーの市民宗教論における寛容──近代寛容論への批判と発展(関口佐紀)
大ブリテン構想と古典古代解釈──E・A・フリーマンとアルフレッド・ジマーンのギリシャ愛好主義(馬路智仁)
「革命」という持続と断絶──「始まり」の後のハンナ・アレント(寺井彩菜)
無関係な人びとの間の平等主義的正義は何を意味するのか──グローバルな運の平等主義の批判的検討(上原賢司)
戦時期恒藤恭における民族認識の特質と展開──一九三〇年代後半期を中心に(久野譲太郎)
【書評】
人間存在の受動性と能動性の狭間から(田上雅徳)〔藤田潤一郎『存在と秩序──人間を巡るヘブライとギリシアからの問い』〕
一七八九年の理念から一九一四年の理念へ──ドイツ歴史主義と改革の政治学の行方(権左武志)〔熊谷英人『フランス革命という鏡──十九世紀ドイツ歴史主義の時代』
非政治的人間による政治との格闘の軌跡(川合全弘)〔速水淑子『トーマス・マンの政治思想──失われた市民を求めて』〕
オーストリア政治思想史の可能性(細井保)〔高橋義彦『カール・クラウスと危機のオーストリア──世紀末・世界大戦・ファシズム』〕
「両義性の政治学」は可能か?(山崎望)〔杉田敦『両義性のポリティーク』〕
われら不審者の時代に──デモクラシーの理論と戦略(鵜飼健史)〔山本圭『不審者のデモクラシー──ラクラウの政治思想』〕
方法論から応用へ、そして二つの誘惑(早川誠)〔松元雅和『応用政治哲学──方法論の探求』〕
「平等な者たちの社会」へ(伊藤恭彦)〔木部尚志『平等の政治理論──〈品位ある平等〉にむけて』〕
「働くことの意味」とよい社会(重田園江)〔田中拓道『よい社会の探求──労働・自己・相互性』〕
betするべき擬制は何か?(河野有理)〔松田宏一郎『擬制の論理 自由の不安 近代日本政治思想論』〕
徂徠以後をいかに見通すか(中田喜万)〔高山大毅『近世日本の「礼楽」と「修辞」──荻生徂徠以後の「接人」の制度構想』〕
ISBN978-4-86258-107-5
ISSN 1346-924X
(2017.5.1刊行)
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