政治思想学会編
A5判並製/498頁/本体2500円+税
【特集】
国民と棄民の間──パンデミック下の統治性(武田宏子)
「国体」と「風景」──近世・近代日本の自己像と環境(齋藤公太)
エペリ・ハウオファと「島嶼海の主権」──太平洋の自然を守護し、歴史を叙述する(馬路智仁/古田拓也)
人新世の正義論──なぜ将来世代を配慮するのか(田中将人)
魚のまなざす海──多種間の政治と人間であること(福永真弓)
【公募論文】
フランスにおけるアーレントの受容──全体主義論をめぐるアロン、ルフォール、タッサンの解釈を中心に(和田昌也)
デモクラシーと自律(小林卓人)
[政治思想学会研究奨励賞受賞論文]
ジャン・ボダンの主権論とその理論的基礎(秋元真吾)
ギリシアへの陶酔──ジョージ・グロートとジョン・スチュアート・ミルのアテナイの民主政論(村田 陽)
福音派による「建国の父祖」の政治的利用──フランシス・シェーファーの世俗主義批判(相川裕亮)
一九六〇年代カナダにおけるチャールズ・テイラー──「承認の政治」の源流としての「左派ナショナリズム」(高橋侑生)
現代資本主義における正統化の問題──ハーバーマスによる資本主義の危機分析を再考する(成田大起)
歴史的不正義論における権原理論アプローチとその問題(辻 悠佑)
性的マイノリティは政治的に代表されうるのか──構築主義的代表の枠組みから(大場優志)
「政治哲学としての社会契約説」の誕生──南原繁・バーリン・論理実証主義の狭間で(田渕舜也)
【書評】
ホッブズの思想形成における人文主義…川添美央子〔『〈助言者〉ホッブズの政治学』上田悠久〕
カール・シュミットは自由主義的均衡モデルの信奉者だったか?…権左武志〔『カール・シュミットと国家学の黄昏』長野晃〕
説得と抑制の政治思想…井上弘貴〔『ビリー・グラハムと「神の下(もと)の国家」アメリカ──福音伝道者の政治性』相川裕亮〕
人権を哲学する…宇佐美誠〔『人権の哲学――基底的価値の探究と現代世界』木山幸輔〕
デモクラシーは終わらない──自壊からの脱出…山崎 望〔『資本主義・デモクラシー・エコロジー──危機の時代の「突破口」を求めて』千葉眞〕
ケアの倫理と政治学の結節点としてのトロントの新しい民主主義論…鈴木知花〔『ケアするのは誰か?──新しい民主主義のかたちへ』ジョアン・C・トロント著、岡野八代訳・著〕
思想家の思想と行動…森 達也〔Hannah Arendt and Isaiah Berlin: Freedom, Politics and Humanity(Kei Hiruta)〕
誤読のもたらす豊饒の思想史…住田孝太郎〔『トクヴィルと明治思想史──〈デモクラシー〉の発見と忘却』柳愛林〕
よみがえる「論勢」…島田英明〔『「天下の大勢」の政治思想史──頼山陽から丸山眞男への航跡』濱野靖一郎〕)
ISBN978-4-86258-152-5
ISSN 1346-924X
(2023.4.28刊行)
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