出版図書目録.


政治・法律
『貧民のユートピア──福祉国家の思想史』

金田耕一著

A5判上製/278頁/本体4300円+税

なぜ、貧しい人びとを救済しなければならないのか。
どこまで救済するのか。
福祉国家は、貧困がもたらす〈屈辱〉をとりのぞくことができたのか。
〈生存〉を保障することと〈尊厳〉をまもることは両立しうるのか。
「ポスト福祉国家」における市民的関係の再構築のために、ロックからベヴァリッジまでの思想をたどりなおす。

ISBN978-4-86258-142-6

【目次】
序章
第一章 慈愛と労働──ジョン・ロック
T すべての人間には慈愛をもとめる権利がある
U 勤勉にも、宗教にも道徳にも無縁な人びと
V 勤勉かつ敬虔な労働者
第二章 同感と市場──アダム・スミス
T 困っているときには他人の援助に頼ってもよい
U 労働する貧民は勤勉である
V 商業社会は市民的資質を堕落させる
第三章 救貧と規律──ジェレミィ・ベンサム
T 怠惰にたいする処罰として死は重すぎる
U 休息は身体の健康に有害であり、怠惰であるかぎり道徳にも有害である
V 勤労院は社会浄化のシステムとして機能する
第四章 進化と慈善──ハーバート・スペンサー
T 生存に不適な人間を救済することは政府の仕事ではない
U いかにして利他的感情を促進するか
V 劣等者はさらにおおくの劣等者を生む
第五章 効率と福祉──シドニー&ビアトリス・ウェッブの福祉思想
T 健康な社会有機体なしに個人は生存できない
U 貧困は道徳的マラリアである
V 健康で道徳的な市民を生産せよ
第六章 分配とシティズンシップ──ニュー・リベラリズム
T 国家の目的は共通善の促進である
U 社会はみずから助くる者を助く
V 人格の成長に最適な条件を保障する
W 「福祉国家」の蹉跌
終章

(2022年2月28日刊行).

 


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