政治思想学会編
A5判並製/438頁/本体2500円+税
【特別寄稿】
ダンカン・ベル教授 政治思想学会講演について(馬路智仁)
リベラリズムと殖民主義(ダンカン・ベル[訳:馬路智仁])
【特集】
「あたりまえのもの」としての「教養」──レイモンド・ウィリアムズにおける「カルチャー」概念(高山智樹)
近代日本の反知性主義──信仰・運動・屈折(植村和秀)
知性と反知性──ソクラテスとサルトルを起点に(堀田新五郎)
熱狂と理性──カント哲学における観衆の公共圏の位置づけをめぐって(金慧)
「啓蒙思想」語りの終わらせかたについて(河野有理)
【韓国からの寄稿】
冷戦初期の国際政治の地形をめぐる知識人の論争と民族(主義/国家)論の亀裂(キ・ユジョン[訳:李レイ京)
【公募論文】
倫理的なシティズンシップのために──T・H・グリーンは障害者の権利をいかに認識したか(寺尾範野)
ハンス・ケルゼンの民主主義論──少数者保護と比例代表制を中心に(松本彩花)
政治・情動・正義──ヌスバウムの政治的リベラリズムへの批判的検討(田中将人)
リチャード・フッカーの合意概念──宗教的文脈の中で(李東宣)
ハンナ・アーレントの法概念──ノモス/レックスの二元論を超えて(和田昌也)
「平等な承認」はリベラルな多文化主義を救えるのか──アラン・パッテンの批判的検討を手がかりに(河村真実)
ロトクラシー──籤に基づく代表制民主主義の検討(山口晃人)
【書評】
「フィルマー」という「敗者」?(木村俊道)〔『ロバート・フィルマーの政治思想──ロックが否定した王権神授説』古田拓也〕
批判哲学の政治学(杉田孝夫)〔『共和制の理念──イマヌエル・カントと一八世紀末プロイセンの「理論と実践」論争』網谷壮介〕
「近代」の相対化──半澤思想史学の軌跡(川出良枝)〔『回想のケンブリッジ──政治思想史の方法とバーク、コールリッジ、カント、トクヴィル、ニューマン』半澤孝麿〕
ウィッグ的「妥協の政治」の射程(平石耕)〔『妥協の政治学──イギリス議会政治の思想空間』遠山隆淑〕
法と統治の間──「政治の規範化」について(齋藤純一)〔『公開性の根源──秘密政治の系譜学』大竹弘二〕
民主主義のための「文化論」の探求(辻康夫)〔『政治にとって文化とは何か──国家・民族・市民』越智敏夫〕
導きとしてのシュトラウス政治哲学(布施哲)〔『神々の闘争と政治哲学の再生──シュトラウスの政治哲学』松尾哲也〕
フーコーを「使う」のではなく「読む」(安藤裕介)〔『統治の抗争史──フーコー講義1978‐79』重田園江〕
「日本の本来性」をめぐる偽装と暴露のせめぎ合い(眞壁仁)〔『「神国」の正統論──『神皇正統記』受容の近世・近代』齋藤公太〕
第一次世界大戦終了百年後から改めてデモクラシーの本義を問う(大川真)〔『吉野作造と上杉愼吉──日独戦争から大正デモクラシーへ』今野元、『吉野作造と柳田国男──大正デモクラシーが生んだ「在野の精神」』田澤晴子〕
ISBN978-4-86258-128-0
ISSN 1346-924X
(2020.5.1刊行)
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